物流業界は今後どうなる?2025から2030年のトレンド5選と課題解決策のポイントを解説!

物流業界は今、大きな転換期を迎えています。EC市場の急拡大により宅配便の取扱個数は過去30年で約4倍に増加し、2021年度には約50億個を記録しました。その一方で、2024年4月からドライバーの時間外労働に年間960時間という上限規制が適用され、業界全体の構造改革が急務となっています。

この状況に対応するため、物流業界では運送管理システムやAI技術の活用、グリーン物流への転換など、様々なイノベーションが進行中です。デジタル化の波は倉庫管理から配送ルートの最適化まで、あらゆる領域に広がりつつあります。

本記事では、2025年から2030年にかけて物流業界で注目される5つのトレンドと、業界が直面している現状の整理、そして実際に成果を上げている解決策の事例をご紹介します。

目次

2025から2030年の物流業界トレンド5選!

物流業界のデジタル化は、もはや選択肢ではなく必須の取り組みとなっています。人手不足や労働時間規制への対応として、テクノロジーの活用が加速度的に進んでいます。

ここでは、今後の物流業界を大きく変革する5つの主要トレンドをご紹介しましょう。

①運送管理システムによるリアルタイム最適化

運送管理システム(TMS)は、配車計画から配送完了まで、輸配送業務全体を統合管理するシステムです。このシステムの最大の特徴は、リアルタイムでのデータ分析と意思決定支援にあります。GPS技術とIoTセンサーを組み合わせることで、車両の現在地や積載状況、交通状況などの情報を瞬時に把握し、最適な配送ルートを動的に算出します。

従来の配車計画は、ベテラン担当者の経験と勘に頼る部分が大きく、属人的な業務となっていました。しかし、TMSの導入により、ビッグデータを活用した科学的な配車が可能となっています。

車両に搭載されたセンサーから収集される温度や振動などのデータを活用することで、冷蔵・冷凍品の品質管理や、破損リスクの高い貨物の適切な取り扱いが実現できます。ドライバーの運転挙動データを分析することで、安全運転の促進や燃費改善にも効果を発揮してくれるという代物です。

クラウド型のTMSであれば、複数の拠点間での情報共有もリアルタイムで可能となり、全社的な業務の可視化が進みます。荷主企業も配送状況を随時確認できるため、顧客満足度の向上にもつながっています。

②倉庫管理システムとクラウド活用

倉庫管理システム(WMS)は、入荷から保管、ピッキング、出荷まで、倉庫内のすべての業務をデジタル化するシステムです。バーコードやRFIDタグを活用することで、在庫情報をリアルタイムで正確に把握でき、在庫の過不足や所在不明といった問題を劇的に削減します。

WMSとRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を組み合わせることで、定型的な事務作業の自動化も進んでいます。受注データの取り込みから出荷指示の作成、在庫報告書の生成まで、人の手を介さずに処理できる範囲が拡大しつつあるのです。

自動倉庫システムとの連携も大きなトレンドです。立体自動倉庫やシャトルラックシステムとWMSを統合することで、保管スペースの効率的な活用と、迅速なピッキング作業が実現できます。

クラウドの利点は、場所を選ばずにアクセスできることです。複数の倉庫を運営している企業では、全拠点の在庫を一元管理し、拠点間での在庫融通も容易になります。災害時のバックアップ体制としても、クラウドシステムの重要性は高まっており、事業継続性の観点からも注目されています。

③AI・ロボティクス自動化

物流現場におけるAIとロボティクスの導入は、人手不足という課題に対する有力な解決策として急速に進展しています。自動搬送システムであるAMR(自律走行搬送ロボット)やAGV(無人搬送車)は、倉庫内での荷物の運搬を自動化し、作業員の歩行距離を大幅に削減します。

AIを活用した需要予測も、在庫管理の効率化に大きく貢献しています。過去の販売データや季節変動、イベント情報などを分析することで、将来の需要を高精度で予測し、適切な在庫量を維持できるでしょう。

ピッキング作業におけるAI活用も進んでおり、画像認識技術を用いた商品の自動判別や、音声認識による作業指示など、作業員の負担を軽減する技術が実用化されています。AIが最適なピッキングルートを提案することで、作業時間の短縮と正確性の向上を同時に実現できるのです。

ロボットアームを使った自動梱包システムも普及しつつあり、商品のサイズを自動で測定し、最適な箱を選定して梱包する一連の作業を、人の介在なしに完了させることができます。梱包作業の標準化と高速化が進み、出荷までのリードタイムを大幅に短縮できるようになっているのです。

④モーダルシフト・グリーン物流

環境配慮への社会的要請の高まりを受けて、物流業界では輸送手段の転換が進んでいます。モーダルシフトとは、トラック輸送の一部を鉄道や船舶による輸送に切り替えることで、環境負荷を低減する取り組みです。2022年度の日本の二酸化炭素排出量のうち、運輸部門は18.5%を占めており、その過半数がトラック輸送によるものです。

鉄道や船舶は、トラックと比較して一度に大量の貨物を運べるため、輸送効率が高く、CO2排出量も大幅に削減できます。長距離の幹線輸送を鉄道や船舶で行い、最終的な配送のみをトラックで行うという組み合わせが効率的な物流モデルとして注目されており、国土交通省も物流効率化法の中でモーダルシフトの推進を掲げており、支援策も充実しつつあります。

グリーン物流の取り組みは輸送手段の転換だけにとどまりません。電動トラックやハイブリッドトラックなど、環境に優しい車両への転換も急速に進んでいます。国土交通省が開始した「物流脱炭素化促進事業」では、太陽光発電の設置やEV充電スタンドの整備などに対して、費用の2分の1(上限あり)の補助が受けられる制度が整備されました。

倉庫や物流センターにおける省エネ化も重要な取り組みです。LED照明の導入や太陽光発電システムの設置、高効率な空調設備の導入により、エネルギー消費量を削減する動きが広がっています。

⑤ドローン・自動運転など新配送手段

物流業界の未来を大きく変える可能性を秘めているのが、ドローンや自動運転技術です。これらの技術は現在も検証段階にありますが、実用化に向けた取り組みが着実に進んでいます。

ドローン配送は、離島や山間部など、トラックでのアクセスが困難な地域への配送手段として期待されており、一部地域では既に実証実験が行われています。

自動運転技術については、まず長距離輸送での実用化が見込まれており、高速道路などの比較的環境が整った場所での自動運転は技術的なハードルが低く、人間のドライバーと比べて運転ミスが少ないことや、24時間稼働が可能といった点が利点です。

一方、宅配などの近距離配送における完全自動化は、まだ時間を要すると考えられています。住宅街の狭い道路や、建物の中への配送など、複雑な環境への対応には高度な技術が必要です。しかし、近い将来には自動運転車両が公道を走行し、物流の一翼を担うようになることは確実視されています。

新技術の導入には、技術的な課題だけでなく、法制度の整備も必要です。ドローンの飛行に関する規制や、自動運転車両の公道走行に関するルールなど、社会全体での議論と合意形成が進められています。

物流の2025年問題にかかわる法改正については、下記記事で詳しくまとめております。併せてご覧ください。

▶関連記事:物流業界の2025年問題とは?法律改正から対策まで徹底分析!

物流業界の現状の整理!トレンド加速の理由とは?

物流業界でデジタル化やシステム導入が急速に進んでいる背景には、業界が抱える複数の構造的な要因があります。これらは単独ではなく、互いに関連しながら業界全体に影響を与えています。

ここでは、トレンド加速の主な理由となっている業界の現状について、具体的な数字を交えながら解説していきましょう。

高まるドライバー不足

物流業界における人手不足は年々深刻さを増しており、特にトラックドライバーの不足は業界全体の輸送能力に直接的な影響を及ぼしています。

国土交通省の資料によると、1995年から2015年までの20年間で運送業のドライバーは21.3万人減少しており、さらに2015年から2030年までの15年間で24.8万人減少すると予測されています。2027年には日本のトラックドライバーが24万人不足するという見通しもあり、輸送能力の維持が喫緊の課題です。

ドライバー不足の根本的な原因は、日本全体の少子高齢化と人口減少です。労働人口全体が減少する中で、物流業界は特に人材確保に苦戦しています。トラックドライバーの平均年齢を見ると、2016年時点で中小型トラックドライバーは45.4歳、大型トラックドライバーは47.5歳と、全職業の平均年齢42.2歳と比べて3〜5歳高い状況です。

若年層の新規参入が少ない点も懸念材料です。道路貨物運送業における29歳以下の割合は9.1%にとどまり、全産業の同年齢構成比16.3%と比べて大幅に低くなっています。

若者が物流業界を敬遠する理由として、労働環境の厳しさが挙げられ、厚生労働省の調査ではトラックドライバーの年間労働時間は全産業平均より約2割も長くなっており、長時間労働が常態化している現状です。

2024年4月からの時間外労働規制により、これまで残業代で収入を補っていたドライバーの手取りが減少するという新たな問題も浮上しています。労働時間が制限されることで収入が減少し、結果として離職が増えるという悪循環が懸念されており、業界全体での待遇改善と働き方改革が急務となっています。

小口配送の増加

EC市場の拡大により、物流業界では小口配送の増加が顕著となっています。国土交通省の調査によると、宅配便の取扱個数は2020年度に約48億個、2021年度には約50億個と堅調に増加を続けており、過去30年で約4倍という驚異的な伸びを記録しました。

小口配送の増加は、トラックの積載効率の低下という問題を引き起こしています。一つの配送先に対して少量の荷物を配送するため、トラック1台に載せる荷物量が減少し、2010年以降、貨物自動車への積載率は40%以下で推移しているなど、トラックに積める荷物量の半分以下で配送している状況が続いているのです。

消費者ニーズの多様化により、当日配送や翌日配送といった迅速なサービスへの期待が高まっていることも、積載効率の低下に拍車をかける要素です。十分な積載量を確保できないまま配送するケースが増えており、配送の効率性よりもスピードが優先されるのが現場というものです。

積載効率の低下は、運行回数の増加によるドライバーの労働負担増加、燃料費などの輸送コスト増大、そしてトラックの運行回数増加に伴うCO2排出量の増加という、複数の問題を同時に生み出しています。この状況を改善するため、AIによる配送計画の最適化や、企業間での共同配送の推進が重要な取り組みとなっています。

長時間の荷待ち時間

トラックドライバーの長い待機時間、いわゆる荷待ち時間は、物流業界の生産性を大きく損なう要因となっています。国による調査では、一度の運航に1時間半近くの荷待ちが起きるという結果が出ています。

荷待ち時間が発生する具体的な状況としては、

  • 物流施設に到着したものの他のトラックが列をなして待機しており順番を待つ時間
  • 荷主側の荷物の準備が完了していないために積み込みができず待機する時間
  • 指定時間に合わせるための時間調整

などが含まれます。荷積みや荷降ろしにかかる時間を含めると、ドライバーは1運行あたり合計3時間以上を荷役関連の作業に費やしていると推計されます。

この時間は運転以外の時間であるにもかかわらず、ドライバーの拘束時間に含まれるため、実際の運転に使える時間が圧迫され、輸送効率の低下につながっているのが現状です。

この問題に対し、政府は「荷待ち・荷役作業等時間2時間以内ルール」を示しました。荷主事業者が物流事業者に対して荷待ちや荷役作業にかかる時間を原則として計2時間以内に収めることを求める規定です。

人件費・物流コストの増加

物流業界では、近年の燃料費高騰の影響で物流コストが増加傾向にあります。原油価格の変動は輸送コストに直接影響を及ぼし、事業者の収益を圧迫しているのに加えて、自動車のタイヤやバッテリーなど、自動車部品関連の費用も上昇しており、物流コストの増加に拍車をかけています。

人件費の増加も避けられない状況です。厚生労働省のデータによると、2021年のトラックドライバーの年間所得額は446万円で、全産業の年間所得額489万円と比べると約40万円低い金額となっています。ドライバー不足を解消するためには、賃金を引き上げて待遇を改善する必要があり、これが物流コストのさらなる増加要因となっています。

再配達も物流コスト増加の一因です。昨年実施された調査によると、再配達が行われる確率はおよそ10%で、10件に1件は再配達のために時間を割かなければならない計算です。再配達は無料のサービスであるため、燃料費や人件費などのコストだけが余計にかかってしまい、事業者の収益性を悪化させているのです。

物流業界は長年にわたって薄利多売の構造に苦しんできましたが、これらのコスト増加圧力に対して適正な価格転嫁ができなければ、経営の持続可能性が脅かされます。2023年の道路貨物運送業の倒産は328件を記録し、前年と比べて32.2%も増加しました。

CO2排出量の削減

地球温暖化対策として、温室効果ガスであるCO2の排出量削減が国際的に重要視されており、物流業界にも大きな役割が期待されています。日本政府は2050年までのカーボンニュートラル実現を目指しており、運輸部門における削減努力が不可欠となっています。

国土交通省の調査によると、2022年度の運輸部門のCO2排出量は1億9,180万トンで、日本のCO2排出量全体(10億3,700万トン)のうち18.5%を占めており、その過半数がトラック輸送によるものです。

物流業界が環境負荷削減に取り組むべき理由は、単に規制への対応だけではありません。環境配慮は企業の社会的責任であり、ステークホルダーからの期待も高まっています。

環境負荷削減に向けた具体的な取り組みとして、電動トラックやハイブリッドトラックなど、環境に優しい車両への転換が進められています。国土交通省が開始した「物流脱炭素化促進事業」では、太陽光発電の設置や大容量蓄電池の確保、EV充電スタンドの用意などの一定の条件を満たすと、費用の2分の1まで(上限あり)の補助が出る制度が整備されました。

モーダルシフトの推進も重要な取り組みです。トラック輸送の一部を鉄道や船舶による輸送に切り替えることで、同じ荷物量を運ぶ場合のCO2排出量を大幅に削減できます。環境配慮は長期的にはコスト削減にもつながるため、経営戦略としても重要性を増しています。

物流課題解決のための行政の動きも解説!

物流業界が抱える様々な課題に対して、政府は法制度の整備や支援策の拡充を通じて、業界全体の構造改革を後押ししています。2025年4月には重要な法改正が施行され、荷主企業を含むサプライチェーン全体での取り組みが求められるようになりました。

ここでは、行政による主要な施策について解説します。

流通業務総合効率化法の改正

流通業務総合効率化法は、2025年4月に「物流効率化法」へと名称が改められ、大幅な改正が行われました。この法律の最大の特徴は、荷主・物流事業者・連鎖化事業者(フランチャイズチェーン本部など)のすべてに物流効率化のための努力義務を課している点です。

具体的には、2028年度までに2つの重要な数値目標が設定されています。第一に、5割の運行で1運行あたりの荷待ち・荷役時間を計2時間以内に削減すること。第二に、5割の車両で積載効率50%を実現することです。

一定規模以上の事業者は「特定事業者」として指定され、より厳格な義務を負うことになります。特定事業者には、物流統括管理者の選任、物流効率化に向けた中長期計画の策定と提出、定期的な実施状況の報告が義務付けられるのです。

物流事業者には、輸配送の共同化やモーダルシフトの推進、自動化・機械化による作業効率の向上、配送ルートの最適化などが求められます。優良事例や不十分な事例について調査・公表を行うことで、業界全体の取り組みを促進していく方針が示されており、法律を通じた業界の構造改革が進められています。

貨物自動車運送事業法の改正

貨物自動車運送事業法は、1989年に施行された法律で、トラック運送業に関するルールを定め、輸送の安全性の向上と事業の健全な発達を図ることを目的としています。2025年4月の改正では、取引環境の適正化と安全対策の強化という2つの柱が設けられ、運送契約締結時の書面交付が義務化されました。

書面交付義務の内容として、荷主・トラック事業者・利用運送事業者は、運送契約を締結する際に、提供する役務の内容やその対価(附帯業務料、燃料サーチャージ等を含む)を記載した書面を交付しなければなりません。標準的な運賃の告示では、荷役作業料の割増料金が最低でも30分で2,000円ほど、最高水準で時給換算すると5,500円にもなる設定がなされています。

安全対策の強化では、特に軽トラック事業者に対する規制が新設されました。近年、軽トラック運送業において死亡・重傷事故件数が急激に増加しており、安全対策の強化が課題となっていました。改正法では、軽トラック事業者に対し、貨物軽自動車安全管理者の選任と講習受講が義務付けられます。

これらの規制により、物流業界の取引環境は大きく変わることとなるでしょう。今のところ違反に対する罰則は設けられていませんが、貨物自動車運送事業者については行政処分の対象となる可能性があり、荷主についても是正指導の対象となる場合があります。

各種補助金や税制優遇

政府は、物流業界のデジタル化や環境対応を促進するため、各種補助金や税制優遇措置を整備しています。

特に注目されるのが「物流脱炭素化促進事業」です。この事業では、太陽光発電の設置や大容量蓄電池の確保、EV充電スタンドの用意などの一定の条件を満たすと、費用の2分の1まで(上限あり)の補助が受けられる制度が整備されました。

物流総合効率化法に基づく支援措置も充実しています。流通業務総合効率化事業の認定を受けた事業者は、施設整備に対する税制優遇や、日本政策金融公庫による低利融資を受けることができます。

倉庫の自動化やシステム導入に関する補助金も各種用意されています。WMSやTMSの導入、自動搬送システムの設置などに対して、IT導入補助金やものづくり補助金などの活用が可能です。特に中小企業を対象とした支援制度が充実しており、初期投資の負担を抑えながら、業務のデジタル化を進めることができます。

地方自治体レベルでも、独自の補助金制度を設けているケースがあり、地域の物流拠点の整備や共同配送の実証実験への支援など、地域特性に応じた支援策が展開されています。

トラックGメン指導・実運送簿管理義務化

トラックドライバーの労働環境を改善する目的で、国土交通省は「トラック・物流Gメン」という組織を設置し、監視活動を強化しています。

トラック・物流Gメンとは、荷主企業や元請事業者が不当な要求や違反行為を行っていないかを監視する国土交通省の組織です。元々「トラックGメン」として活動していましたが、2024年11月1日より「トラック・物流Gメン」に改組され、情報収集の対象がトラック事業者だけでなく倉庫業者も含まれるようになりました。

トラック・物流Gメンの主な活動内容は、荷主企業による長時間の荷待ち時間の強要、運賃・料金の買い叩き、附帯業務の無償提供の強要など、不適切な取引慣行の監視と是正です。トラック事業者や倉庫業者からの情報提供を受けて、問題のある荷主企業に対して改善指導を行い、悪質なケースでは企業名の公表も行われます。

運送簿の管理義務化も、透明性の高い取引環境を構築するための重要な施策です。運送事業者は、実際の運送業務の記録を詳細に保管することが求められるようになりました。これらの取り組みにより、荷主企業と運送事業者の力関係の不均衡が是正され、公正な取引環境が構築されることが期待されています。

今後の物流業界を徹底予測!

2025年から2030年にかけて、物流業界は大きな変革期を迎えることが予測されています。法改正やテクノロジーの進化、市場環境の変化などが複合的に作用し、業界の構造そのものが変わる可能性があるのです。

ここでは、今後の物流業界で起こりうる主要な変化について予測します。

M&Aや倒産の増加

物流業界では、今後M&A(企業の合併・買収)と倒産の両方が増加すると予測されています。2023年には貨物運送関連の企業の倒産件数が300件を超え、2022年比で3割以上増加しました。人手不足をはじめとする多角的な課題をはじめとして、経営努力だけでは対応しきれなくなっている事業者が増えており、この傾向は今後も続くと見られています。

特に中小規模の運送事業者は、ドライバーの確保や設備投資の負担に苦しんでおり、単独での事業継続が難しくなるケースが増えています。物流業界の中小企業率は99%と極めて高く、多数の事業者が限られた荷物を奪い合う状況が続いているのが現状です。

一方で、体力のある大企業や中堅企業は、M&Aを通じて事業規模を拡大する動きを加速させています。M&Aにより、ドライバーや車両、物流拠点などの経営資源を一気に確保できるメリットもあるのです。

業界再編の動きは、単なる企業数の減少ではなく、より効率的で競争力のある物流体制の構築につながる可能性があります。ただし、地方の物流ネットワークの維持という観点からは、過度な集約化による弊害も懸念されており、バランスの取れた業界再編が求められています。

アナログな業務プロセスの見直しとDX化の加速

物流業界におけるDXの遅れは、業界の生産性を大きく損なう要因となってきましたが、今後は急速にデジタル化が進むと予測されています。配達状況の確認に電話を使い、配送依頼書の送付にFAXを用いるといった、従来のアナログな業務プロセスは、もはや持続可能ではありません。

クラウド型のTMSやWMSの導入が標準となり、紙ベースの作業指示や在庫管理は過去のものとなるでしょう。リアルタイムでの情報共有により、配送状況の可視化や在庫の一元管理が当たり前となり、業務の透明性が飛躍的に向上します。

IoTセンサーやGPS技術の活用も一般化するでしょう。車両の位置情報や積載状況、温度管理が必要な貨物の状態など、あらゆる情報がデジタルデータとして収集・分析され、運行管理の精度が向上します。ドライバーの運転挙動データを分析することで、安全運転の促進や燃費改善にも効果を発揮します。

中小企業においても、DX化への取り組みは避けられません。政府による各種補助金や支援策の活用により、初期投資の負担を軽減しながらシステム導入を進める企業が増えるでしょう。

多重下請け構造の解消

物流業界では、荷主から直接仕事を受ける元請け事業者が、実際の運送業務を下請け、さらには孫請けの事業者に再委託するという多重下請け構造が存在してきました。この構造により、実際に運送業務を行う事業者が受け取る運賃が低く抑えられ、ドライバーの待遇改善が進まないという問題が指摘されてきました。

2025年4月施行の改正貨物自動車運送事業法により、運送契約締結時の書面交付が義務化されたことで、取引の透明性が大幅に向上します。提供する役務の内容とその対価が明確に記載された書面が交付されることで、各事業者が受け取るべき対価が可視化され、不当な中間搾取を防ぐ効果が期待されています。

前述したトラック・物流Gメンによる監視活動も、多重下請け構造の是正に寄与する要素の1つです。不適切な取引慣行が発見された場合、荷主企業や元請事業者に対して改善指導が行われ、悪質なケースでは企業名の公表も行われます。

今後は、荷主企業と実運送事業者が直接契約を結ぶケースが増え、中間業者を介さない取引形態が主流になる可能性があります。デジタルプラットフォームの発展により、荷主と運送事業者のマッチングが容易になることも、この動きを後押しするでしょう。

物流業界の変化を生き抜くには?コモンコムの事例紹介

物流業界の変革期を乗り越えるためには、具体的なシステム導入と業務改革が不可欠です。

ここでは、実際に物流システムを導入し、業務効率化に成功した企業の事例をご紹介します。これらの事例から、DX化の具体的な効果と、導入のポイントを学ぶことができます。

運送管理システム「EXPRESS」の導入事例

ある運送事業者では、営業所ごとに異なるシステムで業務に取り組んでおり、横の情報共有や管理が難しいという課題がありました。各拠点で3つの異なるシステムが使用されており、本社では異なるフォーマットの資料を基にした実績集計に多くの時間を要していました。

この課題に対し、クラウド対応の運送管理システム「EXPRESS」を全10拠点に導入することで、システムの統合を実現する形で対処しています。拠点ごとの業務に関する情報が自動で本社に集まるシステムによって、共有もリアルタイムで可能となったのです。

導入にあたっては、全社での打ち合わせとは別に、各拠点ごとに個別の打ち合わせを行い、各拠点の課題を事前に整理。収益に関する判断基準に若干のばらつきがあったため、統一基準を作成し、全社で共有することで、業務の標準化を進めました。

システム導入の成果として、まず日次の実績集計がシステム化され、本社での集計作業を大幅に削減。配車状況、売上データ、車両稼働率など、経営に必要なあらゆる情報を本社で一元管理できるようになり、スピード感のある経営判断が可能となっています。

▶事例について詳しくはこちら:拠点ごとにシステムがバラバラ全拠点に統合システム導入にて効果絶大

倉庫管理システム「STORAGE」の導入事例

特定荷主との取引が激増したことで、嬉しい悲鳴を抱えていたある事業者の事例です。従来、業務はExcelで管理されていましたが、取扱い量の激増により、Excelでの管理は限界を迎えていました。仕分け業務ではミスが増加しており、人手によるチェック作業では繁忙期には対応しきれず、顧客からのクレームも増加傾向にありました。

この課題を解決するため、倉庫管理システム「STORAGE」を新規導入し、ハンディターミナルを活用した種まき方式のピッキングへと業務プロセスを変更する手法を導入。種まき方式とは、複数の配送先への商品を同時にピッキングする方法で、効率的な作業が可能となる手法です。

荷主からのデータ受取部分は特定荷主用に調整して連携を実装し、システム間のシームレスなデータ連携を実現しました。導入時には荷主様の情報システム部門と打合せを実施した上で実装しましたが、テスト工程にて業務にそぐわない部分が発覚し、細かな調整が必要となりました。

導入の成果は劇的で、人手によるチェックとハンディによるチェックでは精度に大きな差があり、出荷ミスは大幅に減少したのです。ITシステムは作業量や作業時間に関係なく同じことを繰り返すことができるため、人的ミスが排除され、常に高い精度を維持できるようになりました。

▶事例について詳しくはこちら:業態にマッチしたハンディターミナル活用で業務効率アップと出荷ミス激減

物流業務のお悩みは「コモンコム」へ!

物流業界の2025年問題は、確かに様々な課題を含んでいますが、適切な対策とシステム導入により、この変化をビジネスチャンスに変えることができます。株式会社コモンコムは、物流業界に特化したシステム開発とコンサルティングを提供する専門企業として、多くの運送・倉庫事業者の課題解決を支援してきました。

コモンコムが提供する「LOGI-Cube」は、運送業務と倉庫業務の両方に対応したクラウドシステムです。配車管理、運行管理、請求管理、在庫管理など、物流業務に必要な機能を網羅しており、運送管理システム「EXPRESS」と倉庫管理システム「STORAGE」は、実際の物流現場のニーズに基づいて開発されており、現場の担当者が使いやすい設計となっています。

2025年問題への対応にお悩みの方、物流DXを検討されている方は、ぜひコモンコムにご相談ください。>コモンコム公式サイトはこちら

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