運送業管理システムとは?導入メリット・主な機能・失敗しない選び方を徹底解説

運送業の現場では、配車をホワイトボードで組み、日報を紙で回し、請求をExcelで作るといったアナログ運用が長く続いてきました。しかし、この業務の回し方は引き継ぎが難しく、担当者に休まれた途端に業務が滞る事態も起こります。そこで注目されているのが、配車から請求、車両やドライバーの情報まで一つにまとめる運送業管理システムです。

本記事では、運送業管理システムの主な機能と導入効果を整理したうえで、失敗しない選び方と運用の注意点まで解説します。自社にどこまで必要かを判断する材料として役立ててください。

目次

運送業管理システムを導入する前に知っておきたいこと!

システムの検討を始める前に、言葉の意味と大まかな内容を押さえておくと比較がぐっと楽になります。似た名称の製品も多いため、どのような機能を含む仕組みなのかを取り違えたまま話が進んでしまう場面も少なくありません。ここでは、役割と分類という土台の部分から確認していきましょう。

運送業管理システムの役割

運送業管理システムは、配車、運行、請求、車両、ドライバーの情報を一つに集約する仕組みです。一つの受注データを配車でも請求でも使えるため、部署ごとの転記や重複入力が不要になります。配車担当の入力を事務担当がそのまま確認でき、電話で確かめる手間も減ります。

運送管理システムとの違い

「運送管理システム」と「運送業管理システム」は、同じ意味で使われる場合もあります。ただし前者は配車や運行の管理を指している製品も多く、範囲の解釈には幅がでます。「運送業管理システム」と呼ぶ場合は、請求や支払、車両台帳、経営分析まで含む場合がほとんどです。輸送を動かす機能に加え、会社を回す管理機能まで乗っている点が違います。

クラウド型とオンプレミス型の違い

クラウド型は自社にサーバーを置かず、月額利用料で使い始められる提供形態です。サーバーを購入する必要がないため比較的初期費用を抑えることができ、インターネット経由で使えるので複数拠点や在宅からの利用にも向いています。ただしサービスによっては自社に合わせた機能の作り込み(カスタマイズ)ができないものもあるので、その点がデメリットと言えるかと思います。

一方のオンプレミス型は自社にサーバーを設置する形態で、独自要件の作り込みがしやすいためより自社の業務に合ったシステムが構築できる可能性が高まります。一方でサーバーの更新や障害対応を自社で抱えるため、システム管理者の業務負荷や更新時の一時的な費用負担は大きくなります。

運送業管理システムで何ができる?

機能の全体像をつかむと、自社に足りない部分がどこなのかも見えてきます。運送業管理システムは複数の機能が連なった構造になっており、必要な範囲だけを選べる製品も少なくありません。ここからは、代表的な6つの機能を順番に確認していきましょう。

配車管理

配車管理は、受注した業務(荷物)に車両とドライバーを割り当てる中心的な機能です。画面上で荷物と車両を選ぶだけで配車表が組み上がり、手書きの業務から解放されることが期待できます。空車や重複の状況は配車ボードで色分けされ、無理のある組み方にも気づきやすいです。

急な追加依頼が入っても、空いている車両を検索してその場で差し込めます。確定した内容は運行指示書として出力できる機能も備わっているためドライバーへの共有も滞りません。配車状況をリアルタイムに共有できるため、担当者が不在でも状況を追えるでしょう。

運行管理

運行管理は、指示した内容と実際の走行を突き合わせる機能にあたります。運行指示書を作成し、当日の走行実績を日報として記録する流れが基本です。デジタルタコグラフと連携すれば、走行距離や時間を手入力せずに取り込めます。

GPSの情報を使えば、車両が今どこを走っているのか把握することが可能です。到着遅れの兆しをいち早く察知でき、荷主への連絡も先回りできます。実績が自動で集まるため、点呼記録や労務データの整理にも役立つでしょう。

車両管理

車両管理は、保有する車両の情報を台帳としてまとめる機能になります。車検の満了日や法定点検の時期を登録し、期限が近づくと知らせを受け取れます。整備歴や修理歴、事故歴を残せば、故障の多い車両も数字で見分けられるでしょう。

任意保険や自賠責の更新時期も同じ画面から確認でき、抜け漏れを防げます。燃料費や高速代を車両ごとに積み上げると、維持費の実態を明らかにすることもできます。

ドライバー管理

ドライバー管理は、乗務員の情報を一元的に扱う機能として使われます。免許証の有効期限を登録しておけば、更新対象者を自動的に抽出することが可能です。けん引や危険物といった資格の保有状況も、検索ひとつで確認できます。勤怠情報と連携すれば、拘束時間や休息期間の管理にも活用できます。

請求・支払管理

請求と支払の管理は、日々の実績を売上と原価へ結びつける機能です。運賃表やタリフを登録しておけば、条件に応じた金額が自動で計算されます。締め日ごとに請求書を出力でき、荷主ごとに様式を変えることも可能です。

入金を消し込めば売掛の残高が更新され、未回収金の把握も容易になります。傭車先への支払も同じ流れで管理でき、買掛の状況を並べて確認することが可能です。請求書の発行漏れを知らせる仕組みを持つ製品であれば、金額訂正後の再発行忘れも防げるため請求漏れを防ぐことができます。

経営分析・レポート機能

経営分析の機能は、蓄積した実績をいろいろな切り口で集計して見せてくれます。車両別に売上と経費を並べれば、どの車が利益を生んでいるのかが分かるでしょう。荷主別に見れば、売上は大きいのに利益が薄い取引先も浮かび上がります。

ドライバー別の稼働や売上を比べると、教育すべき点も具体的になります。直接費と間接費を分けた収支表があれば、原価の構造まで踏み込めます。月ごとの推移を追えるため、改善策の効果も数字で検証できるでしょう。

運送業管理システムを導入するメリット!

機能が分かっても、実際にどう楽になるのかが見えなければ投資の判断はできません。導入効果は作業時間の短縮にとどまらず、ミスの減少や経営判断の速さにも及びます。ここでは、現場と経営の双方に表れる4つのメリットを整理しましょう。

配車業務の効率化

配車を電話とホワイトボードで回す方法は、記録が残らない点に弱さがあります。伝えた内容を思い出せず、同じ確認を何度も繰り返す場面も珍しくありません。一方、システムであれば荷物と車両をクリックするだけで割り当てが決まり、表も自動で整います。

前日の配車内容を複製すれば、定期便の入力はさらに短い時間で済みます。指示書やスマートフォンで業務内容を共有できるため、点呼のたびに紙を配る必要もないでしょう。担当者以外でも状況を読めるようになるため、引き継ぎの負担も軽くなります。

入力ミス・請求漏れの防止

配車データがそのまま請求へ流れる構造は、二重入力をなくす近道になります。同じ数字を別の帳票へ書き写す作業が消えれば、転記ミスも起こりません。運賃が自動計算される仕組みなら、掛け率の当て間違いも避けられるでしょう。

請求の処理状況が画面で見えるため、締め後の出し忘れにも気づけます。訂正した伝票を知らせる機能があれば、再発行の抜けまで防げるでしょう。数字の正しさが保たれると、荷主とのやり取りに費やす時間も減ります。

車両・ドライバー稼働状況の見える化

稼働状況の見える化は、限られた資源(車両やドライバー)を有効に活用するための大前提と言えます。配車ボードを見れば、空いている車と埋まっている車が一目で分かるでしょう。空車時間が長い車両を特定できれば、営業の打ち手も具体的になります。

日ごとの稼働率を追うと、繁閑の波がどこにあるのかもわかるでしょう。傭車に頼りすぎている曜日が判明し、自社便へ切り替える判断も進みます。位置情報と組み合わせれば、近くの車両へ急な依頼を割り振れます。

経営データの活用

日々の入力が積み重なるほど、経営を語るための材料もそろっていくでしょう。売上だけでなく原価を並べれば、利益率の低い仕事が明らかになります。荷主との運賃交渉の場でも、根拠のある数字を示すことができれば説得力が違ってきます。

車両の入替や増車も、収支と稼働率を踏まえて判断できるでしょう。会議資料をシステムから出力できれば、準備にかける日数も短くなります。勘に頼っていた意思決定を、データで裏付ける体制へ変えられます。

運送業管理システムはどう選べばよい?

製品ごとに得意な領域は異なり、規模や業態が合わなければ導入効果も出にくいものです。導入後に不足に気づくと、追加費用や再選定という遠回りが発生してしまいますので、ここで挙げる選定の段階で確かめておきたい3つの視点を参考にしてください。

必要な機能

最初に決めたいのは、どの範囲までシステム化するのかという線引きです。配車の省力化を急ぐのか、請求の正確さを優先するのかで、選ぶ製品は変わります。現場の困りごとを書き出し、優先順位をつける作業から始めましょう。

すべてを一度に入れると、使わない機能へ費用を払い続ける結果になりかねません。基本機能に後からオプションを足せる仕組みなら、段階的な拡張も可能です。将来必要になりそうな機能まで見渡し、追加の可否を確認しておくと安心できます。

他システムとの連携

連携の可否は、二重入力が残るかどうかを左右する分かれ目になります。デジタルタコグラフとつながれば、走行実績を手で打ち直す必要がありません。会計ソフトへ売上と仕入を渡せれば、経理側の入力も一度で済みます。

給与システムと結べば、勤怠から給与計算までの流れもスムーズですし、倉庫管理システム(WMS)と組み合わせる構成が必要な会社もあります。連携方式や対応製品は各社で違うため、使用中の機種名まで伝えるとスムーズでしょう。

サポート体制

導入の成否は、稼働後のサポート体制も影響します。マスタ登録や既存データの移行支援、操作研修などが用意されていれば、現場がシステムに慣れるまでの負担を減らせます。

問い合わせ窓口の対応時間や、遠隔サポートの有無も確認しておきましょう。さらに、法改正への対応やアップデート、保守の範囲まで契約前に確認しておくと、導入後も安心して利用できます。

運送業管理システム導入時に注意すべきこと!

良い製品を選んでも、進め方を誤れば現場に根づかないまま終わってしまいます。実際に使うのは日々の業務に追われる担当者であり、負担の増える仕組みは敬遠されるでしょう。ここでは、導入前に押さえておきたい3つの注意点を確認します。

操作性を確認する

配車や事務の担当者は、電話を受けながら入力する場面も多く抱えています。一つの作業に何度も画面を切り替える設計では、かえって作業時間が延びてしまう可能性が高いです。文字やボタンの大きさ、一覧の見やすさを確かめるために、体験環境やデモがあれば、実際の伝票を使って試すと違いが分かるでしょう。

ベテランだけでなく、パソコンに不慣れな担当者も確認する事が大事です。入力の速さは毎日積み重なるため、比較の段階で軽視できない要素といえます。

導入コストだけで判断しない

初期費用の安さだけで選ぶと、総額では高くつく場合も出てきます。月額の利用料や保守費用は、契約が続く限りかかり続ける支出です。利用人数や拠点数で料金が変わる製品なら、増員時の金額も試算しておきましょう。

独自の帳票を作り込む場合は、カスタマイズ費用が別に必要です。データ移行や研修の費用が含まれるかどうかも、見積書で確かめることが求められます。5年程度の総額で並べると、製品ごとの差が見えやすくなります。

運用体制を整える

システムは導入した瞬間ではなく、運用が回り始めて初めて力を発揮します。荷主や車両のマスタを誰が登録し、誰が修正するのかを先に決めておきましょう。担当が曖昧なままだと、表記の揺れた取引先が並び、集計も合わなくなってしまいます。

入力の締め時間や日報の提出期限といった約束事も必要になるでしょう。既存データの整理は想像以上に時間がかかるため、余裕を持った計画が欠かせません。稼働後も見直し役を決め、現場の声を反映し続ける体制が求められます。

運送業管理システムはDX推進にも役立つ?

DXという言葉は幅広く使われますが、出発点は業務データを扱える形にする作業にあります。ここでは、運送業管理システムがDXの土台になる理由を整理しましょう。

業務の一元管理

配車、運行、請求、車両の情報が別々に置かれている状態では、全体像がつかめません。同じ会社の中で数字が食い違い、どれが正しいのかを探す時間も生まれます。一つのシステムへまとめると、入力した情報がそのまま次の工程で使われます。

部署をまたぐ確認の電話が減り、情報の鮮度も保たれるでしょう。誰が見ても同じ画面を参照できるため、判断のばらつきも小さくなりやすいです。データを集める段階を整えることが、次の活用へ進む前提になります。

データ活用による経営改善

システムに残るのは、日々の運行と取引という現場の事実そのものです。一年分がたまれば、季節ごとの荷動きや車両の稼働傾向まで読み取れます。燃費の悪化した車両を早く見つけ、整備や入替の検討へつなげられるでしょう。

荷主別の利益率を並べれば、条件を見直すべき取引も具体的になります。改善策を打った後の変化も同じ指標で追え、効果を確かめられます。

法改正・働き方改革への対応

厚生労働省の「建設業・ドライバー・医師等の時間外労働の上限規制(旧時間外労働の上限規制の適用猶予事業・業務)」によると、2024年4月から自動車運転の業務にも時間外労働の上限規制が適用されました。年960時間という枠の中で、同じ輸送量を運ぶ工夫が求められています。改善基準告示でも拘束時間や休息期間の基準が定められ、記録の管理が欠かせません。

日報や運行実績が自動で集計されれば、超過の兆しを早い段階で把握できるでしょう。監査で求められる帳票も、システムから出力できる形なら準備が楽になります。法令対応を人の努力に頼らず、仕組みで支える発想が現実的です。

運送業管理システムに関するFAQ

ここまでの内容を踏まえ、検討の場でよく出る質問をまとめました。費用や導入範囲など、判断を左右しやすい論点を中心に取り上げています。自社の状況に置き換えながら読み進めてみてください。

中小企業でも導入するメリットはある?

中小規模の運送会社であっても、導入する価値は十分にあります。システムによっては初期費用を抑えて始められるものもあり、少ない台数から使える製品も選べるでしょう。配車や請求、車両の管理をシステムへ移せば、限られた人数でも業務が回りやすくなります。

Excelや紙の運用を続けるほど、入力ミスや請求漏れの危険は残ります。担当者が一人でも、記録が残る形にしておけば急な休みにも対応可能です。まずは負担の大きい業務から順に置き換える進め方が現実的です。

クラウド型とオンプレミス型はどちらがおすすめ?

クラウド型はサーバーの管理が不要なため、初期費用を抑えることができます。またサーバーの管理者を社内に置く必要がないためシステム運用の負担が軽くなります。複数拠点から同じ画面を参照でき、テレワークにも対応しやすい点が特徴です。

一方のオンプレミス型は自社でサーバーを持ち、独自要件への対応がしやすくなります。社内だけで運用を完結させたい会社や、通信環境に制約がある場合にも向いています。

また、近年ではAWS(Amazon Web Services)などを利用したプライベート(個社対応)クラウドという形態で提供されるシステムも増えています。それぞれの形態で特長がありますので、管理できる人材がいるかどうかを軸に、システム会社に相談しながら自社にあった無理のない形を選ぶことをおすすめします。

導入費用の目安は?

導入費用は、システムの規模と選ぶ機能によって大きく変わります。クラウド型は初期費用を抑えられる製品が多く、月額の利用料で使えるサービスもあります。オンプレミス型ではサーバー構築やライセンスが必要になり、初期費用は高くなりやすいです。

ただし長期で使い続ける前提なら、総額が逆転する場合も出てくるでしょう。保守費用やカスタマイズ費用、将来の拡張費用まで含めて比べてください。見積書の条件をそろえて並べると、判断の材料がはっきりします。

配車システムだけ導入することはできる?

配車の機能だけを導入できる製品も存在します。まず配車の混乱を解消したい会社にとっては、必要な範囲から始める方法も合理的でしょう。ただし請求や車両の管理まで後から広げる予定があるなら、拡張性を確かめてください。

別々の製品を継ぎ足すと、連携の作り込みに追加費用がかかります。基本システムへオプションを足せる構成なら、入れ替えの手間も避けられるでしょう。数年先の姿を想像したうえで、入口の範囲を決めると失敗しにくくなります。

デジタコや会計ソフトと連携できる?

多くの製品が、デジタコやGPS、会計ソフト、給与ソフトとの連携に対応しています。運行データを自動で取り込めば、日報の入力にかかる時間も短くなるでしょうし、売上や仕入を会計側へ渡せる仕組みなら二重入力の解消につながります。

勤怠データが給与計算へ流れる形にできれば、月末の作業も軽くなりますが、対応する機種やソフトの種類は製品ごとに異なりますので確認が必要です。

運送業管理システムならLOGI-Cubeを検討しよう

ここまで、運送業の管理システムについて、主な機能や導入するメリット、選び方のポイントを解説しました。配車や運行管理、ドライバー管理などを効率化できる一方、自社の業務に合った機能やサポート体制を選ぶことが重要です。

株式会社コモンコムの運送管理システム「LOGI-Cube EXPRESS」は、売上や傭車料、請求、支払の実績を一元管理する日計表管理システムを基本としています。

日報管理、配車支援、運転者台帳、車両台帳のオプションを組み合わせれば、車両別の収支把握から配車業務の省力化まで広げられるでしょう。配車支援では荷物と車両をクリックするだけで割り当てが決まり、内容はそのまま日計表へ連動して請求書に反映されます。

デジタルタコグラフや会計システム、給与システムとの連携にも対応し、kintoneとの双方向連携も可能です。運送事業者では約400社の導入実績があり、請求書作成にかかる期間を短縮した効果も紹介しているので、運送業管理システムを検討している方はぜひお問い合わせください。

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