2023年、運送業界には新しい動きが見られます。「自動点呼」の導入です。この技術は、運転者が新しいシステムを利用して、従来の点呼をよりスムーズに行うことをサポートします。
自動点呼の導入には様々なメリットが考えられますが、同時に課題も存在します。本コラムでは、2023年の最新情報を基に、自動点呼に関する詳細を解説します。運送業界における新しい取り組みとしての自動点呼について、興味を持っている方はぜひご一読ください。
運行の安全確保のために、自動車運送事業者は事業用自動車の運転者に対して、原則として対面での点呼を実施しています。 点呼では、運転者の酒気・疾病・疲労の確認やドライバーへの必要な指示を行っています。
自動点呼は、運転者がロボットや先進的なシステムを活用して行うセルフ点呼の新しい形になります。このシステムの魅力は、 何と言ってもほぼ無人での点呼実施が可能という点にあります。人が直接行っていた点呼をロボット技術を活用して実施することにより、運行管理者の作業の負担を緩和することが期待されます。
2023年1月の情報によれば、自動点呼の導入は特定の条件下でのみ認められています。
これがほぼ無人という表現をしている理由 です。
このような条件が設けられている背景には、安全確保の観点があります。また、自動点呼システムは国土交通省の厳格な認定を受ける必要があり、全ての製品が認定されるわけではありません。 さらに、企業が乗務後の自動点呼を導入する際には、陸運支局への正式な申請が必須となります。
この新制度は2023年1月からスタートしています。申請が認められれば、乗務後自動点呼の運用が可能となります。
国土交通省は、運送業界の労働力不足や労働環境の向上を目指して、ICT技術を駆使した運行管理の革新に注力しています。2023年1月の新政策として、乗務後自動点呼の実施が開始されました。これは、乗務終了後の運転者が国土交通省認定の機器を使用して、自ら点呼を行うシステムです。ただし、先述の通り、特定の条件下でのみ許可され、緊急時には運行管理者が迅速に対応する体制が必須とされています。
一方で、乗務前自動点呼の導入はまだ実現されていません。国土交通省の方針としては、自動点呼には多くの判断要素が含まれるため、よりシンプルな乗務後点呼から自動点呼の取り組みを始めるとのことです。しかし、乗務前自動点呼に関しても継続的な検討が進められており、今後の制度導入に向けての動きが注目されています。特に、2023年4月時点での情報では、実証実験が進行中であることが伝えられています。
自動点呼の導入は、運送業界に革命をもたらす可能性があります。では、具体期なメリットは何があるでしょうか。以下に挙げてみます。
自動点呼を導入すれば、運行管理者の業務効率が向上し、運転者にとっても利便性が増すことは明らかです。 さらに、サービスの品質も一段と高まることが期待されます。これらのメリットを最大限に活用することで、運送業界はさらなる発展と革新を遂げることができるでしょう。
しかし、一方で自動点呼には、課題もあります。具体的なデメリットを以下に示します。
このように導入コストや期間、運用後の取り組み、そして従業員の教育など、多岐にわたる検討事項が挙げられます。これらの課題を適切に対処し、効果的に自動点呼を活用するためには、事前の十分な計画と継続的なフォローアップが不可欠です。運送業界がこれらの課題を乗り越え、自動点呼の真の価値を引き出すための取り組みが、今後の成長の鍵となるでしょう。
運送業界における自動点呼システムの導入は、業務の効率化や安全性の向上に寄与する大きなステップとなります。しかし、導入には多くのコストや手間がかかることも事実です。そんな中、全日本トラック協会が特別なサポートを始めています。具体的な助成情報を以下で詳しくご紹介します。
各都道府県トラック協会の会員事業者で、中小事業者を対象
または
助成対象とする自動点呼機器は、国土交通省の認定を受けたもので、令和4年4月1日以降に契約もしくは利用開始したもの
※申請の際に、国土交通省に届出をして受理された「乗務後自動点呼の実施にかかる届出書」の写し(受付印があるもの)の添付が必須
対象となる自動点呼機器の導入費用(周辺機器、セットアップ費用及び契約期間中のサービス利用料を含む)(上限10万円)
※当該年度内の申請台数は各協会1事業者あたり1台分を上限。ただし所属する協会の域内に安全性優良事業所 (Gマーク事業所)を有する事業者は2台分(上限20万円)
その他、各県のトラック協会や自治体の補助金が活用できる可能性もありますのでご確認ください。また、タイミングによっては補助金の受付が完了している場合もありますので、随時補助金HP等でご確認されるといいでしょう。
以上が、自動点呼の現状と今後の見通しについての解説となります。 自動点呼は、運送業務の効率化や品質向上を実現するために有効な手段ですが、 導入にはコストや期間、運用や教育などの課題があります。乗務前自動点呼が今後どう展開していくのかも気になるところです。
国土交通省は、乗務前自動点呼についても実証実験含めて引き続き検討していくとしており、今後の制度化に向けた動きが2024年問題の観点からも期待されます。
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