近年、運送業界では様々な法改正等により日々の業務の更なる効率化が求められています。 特に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進が急務となっており、その解決策の一つとしてサイボウズ社が提供するクラウドサービス「kintone」が注目されています。 kintoneは、ノーコード・ローコードで専門的なプログラミング能力や経験がなくても業務アプリを作成できる柔軟性の高いプラットフォームとなっています。 この記事では、運送業界におけるkintoneの効果的な活用方法と注意点について詳しく解説します。
画期的な業務ツールであるkintoneには様々なメリットがあり、うまく活用することで業務効率の改善を図ることができます。
運送業界では、各種台帳や経費精算書、配車表など、多くの業務が紙ベースで行われてきました。 kintoneを導入することで、これらの業務をデジタル化し、ペーパーレス化を実現できる可能性があります。 例えば各種台帳や経費申請書の作成をkintone上で行うことで、紙の使用を削減し印刷コストを抑えることができます。また、情報が全てクラウド上に保存されるため、必要な情報を迅速に検索・取得できるようになります。
kintoneはクラウドベースのサービスであるため、インターネット環境さえあれば、どこからでもアクセス可能です。
これにより、例えばドライバーは移動中にスマートフォンやタブレットからリアルタイムで配送指示情報を確認したり、進捗状況を更新することができるようになります。
これによって、業務効率が向上し、社員の働きやすさの向上も期待できます
kintoneはノーコード・ローコードツールであるため、プログラミングの知識がなくても業務アプリの作成・カスタマイズができ、日々の業務において紙で管理しているものをデータ化・一元管理することも可能ですし、煩雑化している業務プロセスの見直しも行えます。
ちなみに運送業を対象とした既存のサンプルアプリもいくつか用意されているため、これらを活用することで迅速に業務効率化を図ることも可能です。
画期的なツールで汎用性が高いとは言っても、何でもできる魔法のツールではありません。利用する上では下記のような点への注意も必要です。
kintoneはノーコード・ローコードツールであるため、基本的な業務アプリの作成は容易ですが、現場の要望を完全に満たそうとした場合、複雑なカスタマイズが必要になり、kintoneの基本機能だけでは実現が難しいものもあります。 そういったケースでは、別途費用と時間をかけて外部の専門家や開発者の支援を受けながら仕組みを作り上げていくといったプロセスが必要になることがあります。
kintoneはweb上のサービスであるため、インターネットを介してデータにアクセスすることになるため一般的なセキュリティリスクが伴います。 特に、機密情報や個人情報を扱う場合には、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。kintone自体は高いセキュリティ機能を備えていますが、ユーザー側でのセキュリティ意識も重要となってきます。
kintoneを効果的に活用するためには、ユーザー教育が不可欠です。 特に、ITリテラシーが低い社員に対しては、kintoneの操作方法や活用方法についてのトレーニングが必要です。これにより、導入初期の混乱を防ぎ、スムーズな運用を実現することができます。
kintoneは柔軟性が高く、使い勝手の良いツールですが、当然ながら苦手とする処理もあります。特に下記がkintone上では難しい処理と言えます。
①複雑な処理
EXCELにおける高度な計算式(関数)の使用に制限がある。
(VLOOKUP等の関数が使えない等)
②帳票関連
独自のフォーマットやデザインが必要な帳票作成については、標準機能だけでは実現が難しい
③大量のデータの保管と処理
大量のデータを扱う際には、パフォーマンスの低下やデータ容量の制限に直面する可能性がある
kintoneを最大限に活用するための方法としては以下のような方法が挙げられます。
kintoneはサイボウズ社から提供されているサービスですが、そのkintoneをより活用するための拡張ツールとしていろいろな企業から「プラグイン」と呼ばれる追加機能が提供されています。
プラグインは無料のものから有料のものまで様々ありますが、それらのサービスを利用することで、kintone単体では苦手としていた/実現できなかった部分をカバーすることが可能となります。
また、一般的なシステムと同様にkintoneのカスタマイズを行うことで機能を拡張することも可能です。
ただし、カスタマイズを行う場合はプログラミング等の専門的な知識が必要となるため、社内に詳しい方がいない場合は、将来的なサポートまで考えると外部のコンサル会社等にご相談された方がいいかもしれません。
もう一つの方法は外部システムとの連携です。簡単に言えばkintoneにはできる範囲をカバーしてもらって、苦手な分野についてはそこを得意とする専門のシステムに任せるという方法です。
kintoneにはデータの入出力機能がありますので、外部の基幹システムとデータ連携することで、入力やデータの表示はkintoneで行い、複雑な計算や帳票の発行は基幹システムから行うということも可能です。
基幹システム側をカスタマイズすると、時間や費用がかかってしまうケースもあるため、基幹システムをカスタマイズせずにkintoneで補完できるとなると、お互いにとって良いとこ取りの形態と言えるかもしれません。
運送業界におけるkintoneの活用は、業務の効率化やペーパーレス化、リアルタイムな情報共有など、多くのメリットをもたらします。
しかし同時に、カスタマイズの限界、セキュリティリスク、ユーザー教育の必要性といった注意しなければならない点も存在します。
こういった点を踏まえ、適切な導入計画と運用体制を整えたうえで、他システムとの連携など、kintoneの可能性を最大限に活用した運送業務効率化の実現を目指しましょう。
弊社ではkintone単体でのご提供、基幹システムである「LOGI-Cube」との連携などのご提案実績がございますのでお気軽にご相談ください。
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