2024年3月29日
DX実現に向けて運送会社が取るべきセキュリティ対策とは
運送業界におけるセキュリティ対策の重要性
現代社会において、運送業界は経済の重要な柱の一つです。商品の輸送から日用品の配達まで、日々の生活に不可欠なサービスを提供しています。しかし、その重要性に伴い、セキュリティの脅威も増加しています。
これは、物理的な盗難や損傷から、サイバー攻撃によるデータの漏洩やシステムの停止に至るまで多岐にわたります。
物理的セキュリティ対策
物理的なセキュリティ対策としては、まず貨物の安全を確保することが重要です。
これには、運転手の厳選、車両のセキュリティ強化、貨物の追跡システムの導入などが含まれます。特に、GPS追跡システムは、盗難発生時の迅速な対応に不可欠です。
サイバーセキュリティ対策
サイバーセキュリティの面では、運送会社は多くの機密データを扱います。顧客情報、配送スケジュール、貨物情報など、これらのデータが不正アクセスにより漏洩すると、重大な結果を招く可能性があります。
以下に挙げるサービスや製品を総合的に導入し、定期的に更新・見直しを行うことで、サイバー攻撃からの防御力を高めることができます。特に、データの暗号化やクラウドベースのセキュリティサービスは、リモートワークの普及やクラウド技術の進展に伴い、ますます重要性を増しています。
01ファイアウォールと不正侵入検知・防御システム(IDS・IPS)
- 例:Cisco ASA、Fortinet FortiGate、テクノル MRB-Cloud
- ネットワークを不正アクセスから保護し、トラフィックを監視して異常を検出します。
以前はアプライアンス型UTM(統合脅威管理)製品が主流でしたが、クラウド型UTMサービスやUTMを超えた次世代ファイアウォールなども登場しています。
02アンチウイルスソフトウェア
- 例:Norton AntiVirus、TrendMicro ウイルスバスター
- 個々のデバイスにおいて、ウイルスやマルウェアからシステムを守り、定期的なスキャンを通じて脅威を排除します。
03エンドポイント保護プラットフォーム(EPP)
- 例:Acronis Cyber Protect Cloud、Symantec Endpoint Protection
- 個々のデバイスを保護し、集中管理を通じて企業全体のセキュリティを確保します。
アンチウイルスソフトと同じくマルウェアの検出と駆除をベースにしていますが、パーソナルファイアウォール、USB制御、HDD/SSDの暗号化、振る舞い検知機能、アプリケーションのホワイトリスト、次世代アンチウイルス(NGAV)機能などの検出・保護機能に加え、組織内デバイスの管理機能が含まれます。
04侵入した脅威の検知と対処(EDR)
- 例:Cybereason EDR、SOPHOS Intercept X Endpoint
- EPPをすり抜けた脅威に対し、早期検知・調査・対処により被害を最小限に留めます。
感染したエンドポイントをネットワークから隔離、不審なプロセスを強制停止する等の対策が可能となります。
05データ暗号化ソリューション
- 例:BitLocker、VeraCrypt
- 重要なデータを暗号化し、万が一のデータ漏洩時にも情報を保護します。
06セキュリティ情報・イベント管理(SIEM)システム
- 例:IBM Security QRadar SIEM、Splunk Enterprise Security
- セキュリティ関連のデータを集中管理し、リアルタイムでの監視と分析を可能にします。
07クラウドベースのセキュリティサービス
- 例:AWS Security、Microsoft Azure Security
- クラウド環境に特化したセキュリティ対策を提供し、運送業界特有のニーズに対応します。
従業員教育の重要性
セキュリティは技術だけでなく、人的側面も重要です。従業員がセキュリティ意識を持ち、適切な行動をとることが重要です。
例えば、不審なメールへの対応、パスワードの管理、不正なアクセスの報告などです。これらは定期的な教育と訓練により強化されます。
リスク評価と連携
リスク評価を定期的に行い、最新の脅威に対処する必要があります。
また、警察や保安機関との連携を図ることも重要です。これにより、緊急時の迅速な対応や情報共有が可能になります。
災害対策とBCP(事業継続計画
自然災害や大規模な事故も運送業界にとっての大きなリスクです。災害発生時における迅速な対応計画や、事業継続計画(BCP)の策定が必要です。
これには、代替ルートの計画、緊急時の連絡網の整備、バックアップシステムの準備などが含まれます。
サプライチェーンのセキュリティ
運送会社はサプライチェーンの一部であり、サプライチェーン全体のセキュリティも重要です。取引先や協力会社との情報共有、共同でのセキュリティ対策の策定が求められます。
まとめ
運送業界におけるセキュリティ対策は多岐にわたりますが、その根底には「予防」と「対応」の二つの柱があります。日々進化する脅威に対して、警戒を怠らず、柔軟かつ迅速に対応する体制を整える必要があります。
これにより、信頼されるサービスの提供が可能となり、企業の持続的な成長につながるのです。
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