2023年11月24日

ハンディターミナル導入で劇的効率化
倉庫業務におけるピッキング作業効率化について

ハンディターミナルで出荷指示情報を受け取ることで、紙のリストや台帳に頼らなくても、迅速にピッキング作業を開始できます。また、商品や部品の保管場所も表示されるので、移動時間や探索時間を最小化できます。さらに、ピッキングした商品や部品の情報も自動的に送信されるので、検品や在庫更新もスムーズに行えます。

現代の物流業界では、効率性と正確性が常に求められる中、倉庫管理の方法が大きく変わりつつあります。特に、「ハンディターミナル」の導入は、倉庫業務におけるピッキング作業の効率化に革命をもたらしています。この小型で持ち運び可能なデバイスは、バーコードやQRコードの読み取りを通じて、リアルタイムの在庫管理と出荷指示の処理を可能にし、従来の紙ベースの作業をデジタル化しています。

倉庫管理システムとの連携により、ハンディターミナルは出荷精度の向上と作業時間の削減を実現し、倉庫内の業務を効率的かつ正確に行うことを可能にしています。このコラムでは、ハンディターミナルの機能、倉庫管理システムとの連携方法、そしてこれらが倉庫業務にどのような影響を与えるのかを詳しく掘り下げていきます。

物流業界における最新の技術革新に興味がある方、または倉庫の効率化を図りたい企業の担当者にとって、このコラムは貴重な洞察と実用的な情報を提供します。ハンディターミナルと倉庫管理システムの導入により、どのように業務が変化し、どのような利点が得られるのかを、具体的な事例とともにご紹介します。


このコラムの目次
  1. ハンディターミナル導入で劇的効率化~倉庫業務のピッキング作業効率化について~
    1. 倉庫で利用されるIT機器やシステム
    2. ピッキング_摘み取り方式と種まき方式
    3. ハンディターミナル導入の効果
    4. ハンディターミナルの注意点
  2. まとめ
 

倉庫で利用されるIT機器やシステム

運送会社と荷主との話し合いのイメージ画像

倉庫業務とは、物流の一環として、商品や部品、材料などを保管、管理、出荷する作業のことです。倉庫業務では、効率性や正確性が求められますが、従来の方法では人手や目視に頼ることが多く、ミスや非効率が生じやすいという課題がありました。そこで、ハンディターミナルや倉庫管理システムなどのIT機器や技術を活用することで、倉庫業務の改善を図ることができます。

ハンディターミナルとは、名前の通り持ち運び可能な小型の携帯用コンピューターのことで、バーコードやQRコードなどの情報を読み取ったり、入力したりすることができる機器です。ハンディターミナルは、無線通信により倉庫管理システムと連携し、リアルタイムに在庫情報や出荷指示などを受け取ったり送信したりすることができます。ハンディターミナルを使うことで、紙のピッキングリストや台帳に頼らなくても、正確に商品や部品の検品、管理をすることができます。

一方、倉庫管理システムとは倉庫内の商品や部品の保管場所や数量、入出庫などを管理するコンピューターシステムです。(営業用倉庫の場合、保管料や荷役料を計算して請求まで行うこともあるでしょうが、そういった計算から請求書発行機能まで搭載した倉庫管理システムも存在します。)

倉庫管理システムは、単体でも在庫管理や入出庫管理などの業務が行え、在庫の見える化や最適化を実現することができるという導入効果がありますが、ハンディターミナルやバーコードリーダーなどの機器と連携することで、それらの機器から送られてくる情報を集約し、より正確性が高く、効率的な管理を行うことが可能です。

ピッキング_摘み取り方式と種まき方式

モーダルシフトの鉄道輸送のイメージ画像

ハンディターミナルと倉庫管理システムを利用した業務改善方法の一例として、「ピッキング」作業について紹介します。そもそもピッキングとは、出荷指示に従って保管されている商品や部品を集める作業のことです。ピッキングは、出荷精度や効率に大きく影響する重要な作業ですが、人力や目視に頼る方法だとミスや非効率な作業が発生しやすいという問題もあるため、ハンディターミナルなどのITツールを利用した仕組みの構築が大きな効果を発揮します。

まずピッキングには、「摘み取り方式」と「種まき方式」の二種類があります。「摘み取り方式」とは、一つの出荷先ごとに保管場所から商品や部品を集める方法です。「種まき方式」とは、複数の出荷先の商品や部品をまとめて集めておき、その後に出荷先ごとに分ける方法です。

摘み取り方式と種まき方式の選択は、商品や部品の種類数や出荷先数などによって異なります。一般的には、以下のような基準で判断することができます。

  • アイテム数>出荷先(運搬先)の数 → 摘み取り方式
  • アイテム数<出荷先(運搬先)の数 → 種まき方式

例えば、対象のアイテム数が1000個で出荷先(運搬先)が10か所の場合、摘み取り方式が向いています。10回の往復で必要なものをピックアップできます。もしこれが種まき方式を選んだとすると、1000回の往復が必要となるため、非効率となってしまいます。 一方、アイテム数が10個で出荷先(運搬先)が1000か所の場合、種まき方式が向いています。摘み取り方式だと1000回の往復が必要になってしまうので、種まき方式で10回の往復で配ってしまった方が効率的です。

摘み取り方式の現場にハンディターミナルを採用する場合は、ハンディターミナルで出荷指示情報を受け取り、バーコードリーダーで商品や部品のバーコードを読み取って確認しながらピッキングします。この方法はシンプルで急なオーダーにも対応しやすいですが、オーダー数や種類数が多い場合は移動時間や探索時間が増えてしまいます。そのため、保管場所の配置やピッキングルートの最適化などが重要になります。

一方、種まき方式で採用する場合は、ハンディターミナルで複数の出荷指示情報を受け取り、商品や部品を一か所に集めた後、デジタル表示器やタブレットなどで出荷先ごとに仕分けします。この方法は移動時間や探索時間を最小化できますが、仕分け場所のスペースや仕分け作業の精度が課題になります。そのため、デジタル表示器やタブレットなどの機器を活用して仕分けミスを防ぐことが重要になります。

以上のように、摘み取り方式と種まき方式にはそれぞれメリットとデメリットがあるため、機器やシステムの導入前に現場の状況や課題を把握し、自社のピッキング方式にあった運用を構築することが必要です。

ハンディターミナル導入の効果

物流の効率化のイメージ画像

改めて、ハンディターミナルを使うことにより以下のような導入効果が期待できます。

01正確性の向上

ハンディターミナルで商品や部品のバーコードを読み取ることで、出荷指示と照合し、ピッキングミスを防ぐことができます。また、商品や部品の保管場所や数量も確認できるので、探索時間や在庫管理も正確になります。

02効率性の向上

ハンディターミナルで出荷指示情報を受け取ることで、紙のリストや台帳に頼らなくても、迅速にピッキング作業を開始できます。また、商品や部品の保管場所も表示されるので、移動時間や探索時間を最小化できます。さらに、ピッキングした商品や部品の情報も自動的に送信されるので、検品や在庫更新もスムーズに行えます。

03人材育成の簡素化

ハンディターミナルは、画面上に作業手順や注意事項などを表示することができるので、経験やスキルに関係なく誰でも同じレベルの作業ができます。また、音声案内やバイブレーション機能なども利用できるので、作業者の負担も軽減されます。


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ハンディターミナルの注意点

物流の効率化のイメージ画像

一方でハンディターミナルの導入・運用にあたって以下のような注意点も考慮する必要があります。

01機器の故障や紛失

ハンディターミナルは電子機器なので、故障や故意・過失による紛失・破損などが発生する可能性があります。その場合、作業が停止したり遅延したりする恐れがあります。そのため、定期的な点検や保守、予備の用意などが必要です。

02システムの不具合や障害

ハンディターミナルは倉庫管理システムと連携しているので、システムの不具合や障害が発生すると、正確な情報が得られなくなったり、作業が中断されたりする恐れがあります。そのため、システムの安定性やセキュリティ、バックアップなどにも注意が必要です。

03作業者の抵抗や不満

ハンディターミナルは作業者の作業内容や効率を測定することもできるので、作業者にとっては監視されていると感じることもあるかもしれません。また、機器に頼りすぎると作業者のスキルや判断力が低下することも考えられます。そのため、作業者の理解や協力を得るためにも、導入目的やメリットを説明したり、教育や研修を行ったりすることが重要です。

上記注意点の他にも、ハンディターミナルのような専用機器となると導入費用が大きくなることもありますので、費用対効果を十分に考慮する必要があるでしょう。また、ハンディターミナル単体では十分な効果を得ることはできません。倉庫管理システムと連携することで導入効果が最大化されるため、ハンディターミナルと親和性の高い倉庫管理システムを選定することも必要となります。

まとめ

まとめのイメージ画像

以上のように、ハンディターミナルと倉庫管理システムを利用することで、ピッキング作業の改善が可能です。しかし、機器やシステムの故障や不具合、作業者の抵抗や不満などにも注意しなければなりません。これらの機器や技術はあくまで手段であり、目的は倉庫業務全体の効率化や正確化であることを理解し、現場の状況や課題に応じて最適な方法を選択して運用することが必要です。また、機器やシステムの導入だけではなく、作業者の教育や育成も重要です。倉庫業務の改善は、人と機器とシステムが連携することで実現されるものだということを忘れないようにしましょう。


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